コロナ化の経済 空白
- BISHINタイムズP

- 2022年1月6日
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更新日:2022年1月7日
総理の年頭会見にはその年の干支にちなんで心に秘めた意欲を表現することがある。例えば今年と同じ寅年だった1986年の新年に、中曽根元総理は「虎穴に入らずんば虎児を得ずと言われるが、私も虎穴に入る必要があるかもしれない」と発言した。 中曽根元総理はその年、長期政権を実現する目的で「衆参ダブル選挙」を実施し、自民党圧勝を狙っていたが、自民党の大多数が反対に回り、実現は難しいと思われていた。しかし中曽根元総理は、脅せる者は脅し、買収できる者は買収するやり方で反対派を次々に切り崩し、「死んだふり解散」と呼ばれる前例のないやり方で「衆参ダブル選挙」を実現した。 近年では2019年亥年の年頭会見で、安倍元総理が60年前の亥年に行われた岸元総理の日米安保交渉が実を結んだことを強調し、「自分も戦後外交の総決算を行う」と発言して日ロ平和条約締結に意欲を見せた。 さらに「猪は猪突猛進というが、時には身をかわしてターンすることもある。自分もスピード感としなやかさを持って政権運営に当たりたい」と意味深長なことを言った。その時フーテンは「安倍元総理は中曽根元総理にあやかって長期政権実現のため衆参ダブル選挙を考えている」と受け止めた。 しかし中曽根元総理や岸元総理とは異なり、安倍元総理は「衆参ダブル選挙」も、「戦後外交の総決算」もできず、東京五輪開催時の総理として脚光を浴びるはずが、コロナの到来で計画が狂い、病気を口実に任期途中で政権を投げ出さざるを得なくなった。その安倍元総理に推されて誕生した岸田総理が年頭会見を行った。今年の干支の壬寅(みずのえとら)には「新しく生まれたものが成長する」という意味があるが、岸田総理は「寅にはつつましくという意味がある」とあえて「謙虚さ」をアピールする意味に使った。 安倍政権と菅政権の失敗から教訓を得て、両政権と対照的な姿勢を見せることが国民に好まれると考えているのだろう。そして中曽根元総理のように危険を犯して挑戦することもしない。しかしそれでは国民に訴えかけてくるものがない。 フーテンにとって岸田政権は捉えどころのない政権だが、なぜそのような姿勢をとるのか、そして会見で語られた言葉の端々から勝手に岸田総理が考えていることを推測してみようと思う。 年頭会見で岸田総理が力を込めたのは、新型コロナウイルスのオミクロン株対策と、「新しい資本主義」実現への決意だった。オミクロン対策に力を入れるのは当たり前だ。来月には急拡大が予測されており、国民の最大関心事になることがはっきりしているからだ。 岸田政権が7月に予定される参議院選挙を前に支持率を落とせば、与党から「選挙の顔」にふさわしくないと判断され、総理の座を失うことになりかねない。そのため岸田総理は病床がひっ迫しないよう、全感染者を入院させる現行の制度を見直す他、飲み薬の実用化やワクチン接種の前倒しなど、考えられる限りの措置を並べて見せた。


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